築古マンションのメリットとデメリットを考える①

こんにちは!山岡です。

ブログ書いている途中に年をまたぎなんともう2月です。
今年はアウトプットを意識しているのですがスレッズが呟きやすく最近よく投稿しています。
良かったら覗いてみてください^^
…と言いつつ伝えたいことが多いのでブログをしっかり書きたいのが今の心境です。
この情報が必要な誰かに届きますように。コツコツやっていきますね。

今回のテーマはリノベ勢の強い味方、
築古物件です!

こんな人におすすめ!
・築古マンションの購入を検討している人
・物件価格を下げたい人
・築古物件の購入が不安な人


最近、物件探しのサポートをさせていただいていると、特に立地の良いエリアで中古マンションを探されている方が多く感じます。

今回は初回のヒアリングの場面でもよく質問をいただく
【築古マンションのメリット・デメリット】
についてわたしの考えをまとめてみました。
都心派中古マンションリノベ勢にはかかせない存在の築古物件。
メリデメを知ったうえで賢く購入してください♪

そもそも築古って築何年くらい?

実は築◯年から築古という明確な定義はありません。
おおよそ築30年以降のマンションが築古と呼ばれる傾向にあるでしょうか。
現在2024年だとすると築1994年以前に建てられたマンションくらいですね。

都内中心で中古マンションのご案内をしている私が築1994年と聞いたらなんだか新しく感じてしまいます。

というのも、私自身都心エリアの築古旧耐震物件(築52年)を購入しました。
住宅の仕事をしているわたしがなぜ築古物件を購入したのか。
それは自分にとって築古のメリットがデメリットを上回ったからです。

ひとつづつチェクしていきましょう。

築古のメリット

築古のメリットはシンプルです。

①価格が安い。
同じエリア、広さの条件で比較すると築年数が古い物件の方が安くなるのがスタンダードです。

②立地が良い。
マンションなどの建物は駅近から順に建設されている傾向があるため駅近には古いマンションが多いです。
生活する上で便利なだけではなく駅に近いことで資産性が落ちにくい、という利点もあります。

物件探しは妥協点探しとも言われています。
エリア、広さ、予算、築年数…。
この中で譲れない順番を考えたとき、築年数が最後に来たらぜひ一緒に良い築古物件を探しましょう!

築古のデメリット

築古の中には大きなターニングポイントになる築年数があります。
それが旧耐震→新耐震基準の1981年です。
中古マンションを探したことのある方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。

【新耐震旧耐震って何だっけ?】
新耐震とは1981年6月1日以降に建築確認を受けている建物のことを言います。
旧耐震は1981年5月31日までに建築確認を受けている建物のことを言います。
建築確認日は表に出てこないし分かりづらいです。
築年数が1981年前後であれば新耐震か旧耐震か不動産屋に確認してみましょう。

【新耐震基準で何が変わった?
大きなポイントは建物が耐えられる震度の大きさが見直されました。
旧耐震基準:震度5程度の地震で倒壊しないレベル
新耐震基準:震度6強~7程度の大規模地震で倒壊しないレベル
この基準は大地震に対して多少建物の損傷はしたとしても損壊や倒壊を避けるという考え方をもとにさまざまな基準が設定されました。


それを踏まえたうえで築古のデメリットは2つあると考えています。

一つ目は
建物が古いことによるデメリット。(=リスク)

二つ目は
旧耐震であることによる住宅ローン&税制優遇デメリット

一概に築古(築30年以上の物件)と言っても新耐震か旧耐震かでデメリットの考え方が変わってくると言うことです。

①建物が古いことによるデメリット(=リスク)

まず新耐震旧耐震関係なく建物が古いことによるデメリットは主に3つ。

  1. 耐震性の不安
  2. 設備の老朽化
  3. 築古の造りによる弊害

1.耐震性の不安

「新耐震なら耐震性は安全なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが新耐震であるから絶対安全とは言い切れません。
確かに建物の耐震性だけで考えると新耐震基準以降の建物は基準項目が増え耐震性が向上しているといえます。
しかし旧耐震であっても耐震性の高い建物は存在します。
実際に団地は旧耐震時代に建てられたものも多いですが、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも大きな被害は受けませんでした。

耐震に関するさまざまな基準法ができる前に建った築古の物件に関しては建物自体の耐震性が分かりにくいです。
耐震診断をしていれば判断しやすいのですが今現在耐震診断を実施している築古マンションは多くありません。


では実際に、新耐震基準以外では何をチェックすべきでしょうか。

1981年以外の耐震基準遍歴を知っておく

耐震に関わる建築基準法は主に大きな災害が起こった後に改正されています。
マンションリノベ勢にとっては鉄筋コンクリート造(RC造)についての改正をおさえておきたいところ。

1981年新耐震以外で特におさえておきたい年代は1971年(昭和46年)です。
鉄筋コンクリート造の柱に入れる鉄筋(帯筋)の間隔を300㎜→100㎜(中央部は150mmで可)と狭めることによって耐震性を向上しています。

1995年(平成7年)10月には阪神・淡路大震災で多くのピロティ部の損傷結果を受けて
鉄筋コンクリート造のピロティ部分の強度・じん性(粘り強さ)の割り増しと接合部分の補強が加わりました。

1998年(平成10年)6月には建築偽装が発覚し中間検査を導入し欠陥建物を減少する法律が加わりました。

出典:(公財)全国宅地建物取引業保証協会「建物の耐震性に関する基礎知識」2008年

このように、災害や事件のたびにマンションに関わる耐震改正が行われています。
1981年の新耐震基準以外にも意識する年代があるということです。

マンションの構造のチェック(ラーメン構造か壁式構造か)

鉄筋コンクリート造のマンションの多くは柱と梁で構成するラーメン構造か壁のみで構成する壁式構造かに分けられます。
ラーメン構造が主流といえますが壁式構造の方が耐震性があると考えられています。
築古の物件には壁式構造で建てられたマンションも多く存在しています。

建物自体のバランスのチェック

建物の形状が複雑だったり極端に細長かったり、バランが悪そうな物件は要チェックです。
例えばティッシュの箱を横にした状態でつついても倒れませんが縦においてつつくと倒れやすいと思います。

また、1階がピロティ(柱だけで構成されている)だと構造的に弱いと考えられているので注意。
阪神・淡路大震災で倒壊した新耐震の建物は全体の5%ほどでしたがその多くが1階がピロティの建物で
柱だけで構成されるピロティの弱点が明確になりました。
※東日本大震災ではピロティ建築が津波に耐えたことから一概には言えませんが揺れに対しては弱いことがわかりました。

【ピロティってなんだっけ?】
建物のなかで柱だけで構成されている部分。
1階をピロティとして駐車場として利用されることが多い。

建物の立地(地盤)のチェック

これは個人的に特に注意しているポイントです。

どれだけ建物が頑丈に強い強度で建てられていても建っている地盤に弱点があると被害が出てしまいます。
具体的には液状化しやすい土地かどうかです。
液状化とは、地震によって地下水が地盤表面に浮上し、土地が液体のようになる現象です。
東日本大震災では東京でも一部の地域の地盤が液状化したことは記憶に新しいのではないでしょうか。
実際に1964年の新潟地震で鉄筋コンクリート造の県営住宅が横倒しになる事態も発生しています。
液状化により地盤が不安定になれば建物が傾いたり損壊します。

液状化は埋め立て地や砂地、川や沼、水田があったところで起こりやすいといわれます。

自治体がハザードマップの整備を進めており、液状化のリスクが高い地域も公表されています。

木造住宅や鉄骨アパートに比べて、鉄筋コンクリートで建てられているマンションは比較的建物の耐震性が高いといえます。
そのためマンションにおいては特に地盤の状況が実際の被害に直結した影響を及ぼすと考えています。
物件エリアのハザードマップを確認して地盤の状況を確認することが大切です。

ハザードや地盤の成り立ちは必ずチェックして事前にお伝えしています。

出典「東京の液状化予測図 令和3年度改訂版」https://doboku.metro.tokyo.lg.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/top.aspx
過去に受けたダメージのチェック

建物は1回の地震で耐えても、揺れを何回も経験することでダメージを受けやすくなると考えられています。
可能であれば管理人さんや売主様に前回の大きな地震の時の揺れ具合や実際の被害状況(クラックが入った、エレベーターが停止したなど)を聞いてみるのもアリかと思います。

以上が新耐震基準以外にもチェックするポイントでした!

建物の耐震性以外で考えておきたい備え

耐震や災害は予測することが難しく、地震の周波によっても被害の結果が変わるので確実なことは言えません。
・マンションが古くても定期的な設備の点検や管理がしっかりとしている。
・避難ルートの認識を管理組合全体で共有する。
など同じマンションに住んでいる人たちでチームとして防災意識を持つことが重要なのではないかと考えています。

マンションは地震が来たら高層階であるほど揺れます。
揺れなければポキっと折れて建物が壊れてしまうので実は揺れるのが正解。怖いですけどね…。
揺れた時にものが落ちてこないように家具を固定する
上部に重たいものを置かない
実際の被害を最小限にするにはこちらの方が重要かもしれません。

2.設備の老朽化

築古のデメリットとして当然古いので設備面も老朽化が見られます。
専有部であればリノベーションで配管も新しくできることがほとんどですし、断熱性能も上げられます。
(その分の費用はかかりますが築25年以上経った物件でスケルトンリノベするのであれば配管更新をお勧めしています。)
共用部は変えられないので購入前に要チェックです。
具体的には給水設備のメンテナンスをしているか、バルコニーや屋上などの防水のメンテナンス、など。
メンテナンス履歴は購入検討の際にマンションの調査票を確認して調べられます。

3.築古の造りによる弊害

特にリノベする場合に予め確認しておくべき点があります。

・電気容量の制限
マンションの規定電力が決まっていて電気容量が上げられないマンションがあります。
IHキッチンにしたい場合は要注意。

・天井が低い物件が多い。部屋に凸凹が多い。
古い建物は元々天井が低い造りが多いです。リノベで床を上げるとさらに天井高が低くなるのでご注意を。
また今時のマンションは柱梁が部屋に出てこないような設計になっていることが多いですが
古いマンションは梁や柱が大きく部屋に出ており部屋の形が凸凹していることが多いです。
リノベの場合はこの凸凹を考えながら設計する必要があります。

リノベの場合は天井の高さも凸凹も”その建物の味”になり得る場合も。
デザインに活かすのも面白いですよ!



今回はここまで!

なんだかデメリットがいっぱいあるように感じますね^^;
次回は、またまたデメリット。(笑)
旧耐震であることによる住宅ローン&税制優遇デメリットまとめをお伝えします。



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